お知らせ
1.72019
激流の寒チヌを釣る。
先日の同窓会にて。
同窓生の中に釣り好きがいて、昨年来、遠慮させてもらっているメーカー系チヌ釣大会の地区予選に協力してもらいたい。そして、若手に潮の事を勉強させてもらいたいとの申し出がありました。現状では難しいと伝えた次第ですが、その同窓生に敬意を示して一言。
寒チヌを釣るには、ですが、最も大切なことは、原理原則に従い基本を忠実に実行するこです。それは何か? チヌが居る所をピンポイントで釣る事です。
春から秋にかけて、上手と言われる方々も、寒チヌの時期になると途端に貧果に見舞われる方々がいらっしゃいます。基本を忘れているからです。浮かぬチヌを浮かそうとし、寄らぬチヌを寄せようとする。浮いタラ釣れる、寄せレバ釣れると年がら年中「タラレバ釣法」をするから寒の時期には釣れなくなる。そして、食い気がないとか、果てには水温が下がるとエサを食わなくなる、とかチヌのせいにしています。大きな間違いです。こうした方々にお聞きしたい。「では、なぜ寒チヌはよく肥えていて脂がのっているんですか」と。
年明けの1月。チヌは抱卵を開始します。子孫を残すために、それまで以上に大漁を餌を必要とします。食い気が無い訳がない。しっかり餌を食べるからチヌも太る訳です。
ただ、環境的に厳しいのは理解できます。人間に例えるなら、標高の高い山頂付近で吹雪に遭遇するに似た環境ではないでしょうか。その時、人間なら吹雪を避け得る洞窟に身を潜め、平原の狼なら穴を掘って身を隠すそうです。
チヌならどうするか?どのような地形にどのような潮流が流れた時にどのように行動するか、また、どのような餌を食べているかや、海水温層がどのように変化するか等を考えれば、答えは自ずと見えてきます。そして、導き出された答えの中に刺し餌を落とし込んでいく。それには、先ず目を養う事です。前後左右、上下に流れる潮流の性質を把握することです。それが分からねばチヌが何処にいるかも分かりません。
海を俯瞰して、何故、海域によって水深の違いが出来るのか。何故、磯と砂浜に分かれるのか。何故、そこにカケアガリが出来るのか。海を見る機会の少ない方は川でもいい。川にも色んな地形があって、深場や浅場がありますが、では、なぜ、川の真ん中に中洲が出来るのかを考えて下さい。本来なら一番流れの速い場所である筈の中央部分に中洲など出来る筈はありませんが、実際には随所に見られます。これもある地形に対する水流の力によってできたものです。これらを考えあわせて、では、どういった条件下でチヌが餌を待ち伏せ出来るかを考えるべきです。
チヌ釣りは「寄せて釣る」のが基本ではありません。「居る所を釣る」のが基本です。その為に、何を見てどう対処するかです。
本年も、皆様にとってより良き釣果が得られますように。
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